【専門医がわかりやすく解説】心筋梗塞の症状・検査法・治療法の全て

心臓の病気として多くの人が患う「心筋梗塞」について説明いたします。今回は心筋梗塞の「まとめ」です。ここを読めばかなり理解が深まると思います。

私は10年以上循環器専門医として診療を行なっています。

資格としては、

「循環器専門医」:心臓全般の専門的知識を有する医師

「心血管インターベンション治療学会専門医」:心臓や血管のカテーテル治療を専門的に行える医師

などの心臓や血管の病気を治療するエキスパートとしても働いております。

インターネットには「心筋梗塞」に対する数多くのホームページがありますが、私の経験から患者さんが疑問に思う点などを踏まえながら、患者さん目線に立って説明していきたいと思います。

目次

心筋梗塞の原因とリスクファクター

・急性心筋梗塞とは、冠動脈の「プラーク」が潰れてドロドロした中身がはじけ出て、急激に血管を塞いでしまうことで心臓の筋肉に十分な酸素や栄養を送ることができなくなることで発症する非常に危険な状態のこと。

・心筋梗塞の原因となる動脈硬化を進行させる危険因子として、脂質異常症・高血圧・糖尿病などの生活習慣病が挙げられます。

・その他にも加齢・喫煙・運動不足・ストレス・肥満なども動脈硬化の危険因子と考えられています。

・心筋梗塞にならないためにも、食事に注意する、運動をする、禁煙をする、薬を飲むなど予防が大事です。

👇原因の詳細についてはこの記事を参照ください。

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心筋梗塞の症状やその時どうすればよいか

胸痛や胸部絞扼感が70~75%、呼吸困難感が10~12%、嘔吐が2~10%、失神が2~5%。

これらの症状は 20 分以上で数時間に及ぶことが多い。

高齢者、糖尿病および女性の患者では、典型的な症状を示さないことがあり、全身倦怠感、食欲不振 、失神や意識レベルの低下などが唯一の症状のこともあるので注意が必要。

・症状がでたら、遠慮せずに遠慮せずに救急車を呼んでください!

心筋梗塞発症直後は突然死のリスクがあるため、ご自身で病院を探して受診するよりは救急車を呼ぶ方が安全。

👇症状の詳細についてはこの記事を参照ください

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心筋梗塞のカテーテル治療について

目標

・救急車を呼んでから、90分以内に閉塞した冠動脈を治療することが目標

カテーテル治療前

同意書:本人、できればご家族に医師から説明があり、同意書にサインをしていただきます。

膀胱カテーテル留置:手術後安静にする必要があるため、尿道から膀胱まで自然に排尿できるようにカテーテル(管)を留置します。

点滴:点滴でお薬を投与します。

鼠径部の剃毛(ていもう):陰部の毛を剃ります。鼠径部からカテーテルを挿入することもあるからです。

酸素投与:血液中の酸素濃度が低下していれば酸素を投与します。

抗血栓薬の内服:心筋梗塞で間違いない!という場合は、抗血栓薬を2種類内服することになります。

カテーテル治療

治療の最終形としては、ステントと呼ばれる金属を留置する場合が多い

👇カテーテル治療の詳細についてはこの記事を参照ください。

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心筋梗塞のカテーテル治療後から退院まで

比較的軽症であった場合

・集中治療室で1〜2泊。問題ないことを確認し一般病棟へ。

・一般病棟では心臓リハビリを開始。運動療法と学習活動・生活指導・相談(カウンセリング)を受ける。

・退院までは約2週間程度。状態によって異なる。

重症であった場合
・「軽症の場合」の患者さんと違って、入院期間は大幅に延びる。死に至るケースもある

術直後に注意すること
・ステント血栓症:ステントが血栓によって急に閉塞し心筋梗塞が再発してしまうこと。2種類の抗血栓薬で予防する。
・治療後12日は心不全、不整脈、心破裂など重篤な合併症がないかどうか集中治療室で観察を要する。

👇心筋梗塞のカテーテル治療後から退院までの詳細についてはこの記事を参照ください。

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心筋梗塞の予防について

喫煙:禁煙あるのみ

体重管理:肥満患者に対しては 3~6ヵ月間で 3% 以上の体重減少

高血圧:若年の患者で は血圧130/80 mmHg未満、高齢の患者では血圧140/90 mmHg 以下

糖尿病:合併症予防の観点よりHbA1c 7.0%未満。糖尿病に関しては下げすぎは必ずしもいいとは限らない。低血糖のリスクが上がるため。

脂質異常症:LDLコレステロールが大事。LDLコレステロールは低ければ低いほどよい。LDL-C 70 mg/dL未満を目標。すくなくとも100 mg/dLは目指さないといけない。

👇心筋梗塞の予防の詳細については、この記事をご覧ください。

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心筋梗塞の薬について

抗血栓薬:血をサラサラにして血栓(=血の塊)をできにくくする薬

β遮断薬:心臓の負担を和らげる薬

レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害薬:心臓の負担を和らげる薬

脂質代謝異常改善薬:LDLコレステロール値を下げる薬

糖尿病治療:「これさえ飲めば心筋梗塞に良い!」という治療薬が明確にはなっていない

いずれも患者自身の判断でやめてはいけない

👇必見!心筋梗塞の薬についての詳細はこちらを参照ください。

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最後に

心筋梗塞は非常に重篤な病気で、年間2,000人近くが命を落としています。このブログが少しでも皆様のお役に立てればとおもい、作成しています。

医師向けのサイトや文献解説にはこれらの内容を書いた記事や論文が見受けられますが、患者さんにはチンプンカンプンだと思います。

患者さん向けに解説した、これらのポイントはあまりサイトには載っていません。

私の意見が100%正しいわけではありませんが、皆さんがよりよい治療を主体的に受けていただくためにお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(参考文献)

急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版):https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2018_kimura.pdf

冠動脈疾患患者における抗血栓療法: https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/04/JCS2020_Kimura_Nakamura.pdf

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この記事を書いた人

総合内科専門医と循環器専門医資格をもつ精神科医の備忘録です。
①医療のこと(循環器、精神科領域中心)
②子供の受験のこと(小学6年生 浜学園 公文)
③投資のこと(米国中心の投資について)
④時短家電のこと
⑤論文のこと(論文の読み方、書き方など)

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