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ジャディアンス:オススメできるお薬をご紹介

今回は、糖尿病のお薬でも知られる「ジャディアンス」についてエビデンスや有名論文に基づいた内容をご説明いたします。
糖尿病の治療薬である「ジャディアス」ですが、糖尿病だけではなく心臓や腎臓にも効果があることが最近証明されました
結東貴子さん
「ジャディアンス」っていったいどういう薬なの?
ぽりぽり
当初、糖尿病治療薬として販売されましたが、糖尿病だけでなく心臓や腎臓にも良い作用があることがわかってきたお薬です。
結東貴子さん
詳しく知りたいわ
ぽりぽり
わかりました。ジャディアンスの効果や効果がある疾患について詳しく見てみましょう。
ジャディアンスをまとめると以下のようになります。
ジャディアンス(一般名:エンパグリフロジン)
・SGLT2阻害薬というタイプの糖尿病治療薬の一つ。
・心不全に対して効果がある。
・ダイエットに使用されることがある←オススメしません
*慢性腎臓病に効果があるかどうか2022年6月現在解析中で結果が待たれる
この記事を読んでほしい人
✅ ご自身やご家族に糖尿病がある人
✅ ご自身やご家族に心臓の病気がある人
✅ ご自身やご家族に腎臓の病気がある人
✅ 健康に不安がある人
✅ 新しいお薬に興味がある人
それでは、ジャディアンスを詳しくみていきましょう。

ジャディアンスの形状

10mg錠と25mg錠の2種類あります。

10mg錠
25mg錠

ジャディアンスの効果

ジャディアンスはSGLT2阻害薬という種類のお薬になります。
SGLT2阻害薬とは、尿中に糖分を排泄することにより血糖値を下げる作用があります
つまりは、口から摂取した糖分を尿に混ぜて捨てるというお薬です。
結果として、尿から糖が出ていくので、血液中の糖分が低下する(=血糖値が下がる)という効果があります
SGLT2というのは、腎臓に存在し、尿に混ざった糖分を吸収する仕組みのことを言います。この仕組みのおかげで、糖分が尿と一緒に排出されてしまうのを予防します。
しかし、尿に混ざった糖分が多すぎると、SGLT2ではすべて吸収するのが困難となり尿に糖が混ざったまま排出されます。これが糖尿の原因です
このSGLT2を逆手に取ってお薬にしたのがSGLT2阻害薬です。
SGLT2阻害薬は、SGLT2を阻害(=邪魔)することで、尿に混ざった糖分の吸収を妨げ、わざと尿と一緒に糖分を排出させます。これにより、糖分がどんどん尿と一緒に排出されるので、血液中の糖分、すなわち血糖値が低下するのです。
その効果のために糖尿病治療薬として2015年にベーリンガーインゲルハイム社から販売されました。
糖尿病のお薬として処方されていたのですが、お薬を服用されていた患者さんに心不全がよくなったり、慢性腎臓病がよくなったりする傾向がわかってきました。
心不全については、こちらの記事を参考ください。
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慢性腎臓病とは?
・慢性腎臓病とは、腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下するか、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を言います。 *腎臓の働きについては、採血検査で容易に推定することができます。
高血圧、糖尿病、肥満やメタボリックシンドローム、腎臓病、家族に腎臓病の人がいる場合は進行しやすいので要注意です。
・さらに慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の重大な危険因子になっています。
(日本腎臓学会編「CKD診療ガイド」2007より)

ジャディアンスは心不全に有効

ジャディアンスは、心不全の悪化を有意に低下させたSGLT2阻害剤の一つです(1,2)
2020年に心臓のパワーが低下した心不全にジャディアンスが有効と発表されました(1)
心臓のパワーが低下した心不全患者さんの中で、ジャディアンスを服用していない人たちと比較して、約25%もリスクを低下させることができたと報告されました。
さらに、治療が難しいとされる心臓のパワーが正常な心不全患者さんの中で、ジャディアンスを服用していない人たちと比較して、約21%もリスクを低下させることができたと報告され大きな話題になりました(2)
心不全は、いろいろな薬を使って治療しますが既存の薬では効果が乏しい患者さんが少なからずいます
心臓のパワーが正常なのにも関わらず心不全になってしまう患者さんに対して、効果的な心不全治療薬が出現してこなかったのですが、ジャディアンスがこういった心不全に効果的との発表は心不全に苦しむ人々の福音になるだけではなく、医師にとっても心不全に対する大きな武器を手に入れたことになるため、大きく歓迎される結果となりました。
結果として、糖尿病がない心不全患者さんに対してもジャディアンスを処方していくことができるようになりました
私も適切な患者さんがいれば、積極的に使用しています。
(1)EMPEROR-Reduced, N Engl J Med. 2020; 383(15): 1413-24
(2)EMPEROR-Preserved, N Engl J Med. 2021; 385(16): 1451-61

ジャディアンスは慢性腎臓病にも有効か?

ジャディアンスは、慢性腎臓病の患者さんの腎機能の悪化に効果があるかどうか現在解析中です(2022年6月現在)
慢性腎臓病は進行すると人工透析や腎移植が必要になるほか、脳卒中や脳梗塞で死亡するリスクが高まりますので、慢性腎臓病の患者さんに有効かどうか解析結果が待たれます。

ジャディアンスが処方される疾患

ジャディアンスは、糖尿病・慢性心不全の治療薬になります。
・2型糖尿病 *なお、1型糖尿病は適応外
・慢性心不全 *ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

 

ジャディアンスの用量用法

ジャディアンスの用量用法(=使い方)は病気の種類によって異なります。

2型糖尿病

通常、成人には10mgを1日1回経口投与する。
なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。

 

ジャディアンスは1型糖尿病には適応が取れていません

心不全

慢性心不全治療では通常、成人には1日1回10mgを経口投与します。
なお、1日1回25mgの投与は、慢性心不全に対する有効性は確認されていません。

ジャディアンスの副作用

どんな副作用があるのかあらかじめ知っておくことは重要です。
早期発見、早期治療につながります。
なお、以下の副作用はすべてを記載したものではありません。下記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

主な副作用

主な副作用として、頻尿、口渇、性器感染、尿路感染、尿量増加などが報告されています。
上記の症状の中でも、特に女性の性器感染症や尿路感染症のリスクが高くなっています
尿路感染症とは?
尿路に細菌が感染することで排尿時に痛みやかゆみを感じたり、血尿が出たりします。
ジャディアンスは糖を尿に混ぜて排出するため、細菌感染を起こしやすいといわれます。
尿路感染予防には、お薬と一緒に水を多めに飲むことが推奨されています
症状がみられた場合は、副作用の可能性があります。
その場合は、早めに医師に相談しましょう。

重篤な副作用

重篤な副作用として、低血糖、脱水、脱水に伴う脳梗塞、ケトアシドーシス、フルニエ壊疽などがあります。
以下の人には注意が必要です。
低血糖:食事をうまく取れない人(栄養状態不良の人)、飢餓状態の人、過度のアルコール中毒の人、激しい筋肉運動を行う人が起こしやすい
脱水:血糖値が極めて不良な人、高齢者、利尿剤を併用している人
フルニエ壊疽:ジャディアンス内服後に性器やその周辺に発赤・腫脹・圧痛を訴え、発熱等を認める人。
フルニエ壊疽とは?
菌に感染することで正規やその周辺の皮膚が壊死する病気。致命的になりうる
ジャディアンスによるフルニエ壊死は報告はされているが非常にまれである。
ケトアシドーシス:1型糖尿病を合併する慢性心不全患者及び慢性腎臓病患者さん。
ケトアシドーシスとは?
糖尿病患者において、喉の乾き、多尿、全身の倦怠感などの症状に引き続いて急激に発症する。
その後、悪化すると呼吸困難や吐き気、嘔吐、腹痛、意識障害などが起こる重篤な状態になる。

 

・皮膚症状:皮膚症状は薬疹、発疹、皮疹、紅斑など非重篤のものを含め、頻度の高い副作用の一つとなっています。

 

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦は内服できるのか?

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与できません。
糖尿病を患っている妊婦さんはインスリン製剤などを使用することが推奨されています。
妊娠中の投与に関する安全性は確立されていません。

授乳中に内服できるのか?

授乳しないことが望ましいです。
ラットで薬の成分が母乳へ移行しているのが報告されています。

高齢者

脱水症状を起こすことがあるため、ご自身で飲水できないような高齢の患者さんにはオススメできません。

ジャディアンスにジェネリック薬品はあるか?

ジャディアンスのジェネリック薬は現時点(2022年6月)ではまだありません。

ジャディアンスにダイエット効果はあるか?

京育浜子さん
ジャディアンスがダイエットに有効って聞いたことがあるけど?
ぽりぽり

(え?浜子さん?)

ジャディアンスがダイエットに有効であることは事実です。
しかし、まったくお勧めはしません。
京育浜子さん
なんでダメなの?
ぽりぽり
では、なぜダメか説明しますね。
もともとは糖尿病などの病気のために開発された薬です。
しかし、先にも説明しましたように、ジャディアンスは、本来であれば吸収されるはずの糖を尿として排泄する効果があります。
そのため血液中の糖(血糖)を減らし、体重減少につながります。
結果的に糖を減らすので実質的には糖質制限ダイエットと同じ状態です。
京育浜子さん
薬で糖質制限ダイエットできるなんていいじゃない?
ぽりぽり
薬は副作用があります。もしダイエットのために内服していて重篤な副作用が出ても何の補償もされませんよ。
ジャディアンスはくまでも糖尿病、心不全にのみ適応があるお薬です。
ですから、ダイエット目的で薬を飲む場合、保険診療ではなく自費での診療となりお薬代がかかります
また、副作用も無視できません。重篤な副作用が起こった場合、ダイエット目的であれば補償はされないと思ってください。
しかも、薬を飲み続けないとすぐにリバウンドしてしまいますし、飲み続けると体重減少効果は減弱するといわれています。
インターネットで「ジャディアンス ダイエット」で検索すると、
「メディカルダイエット」などと題したサイトが多数見られますが、医師としてはオススメできません

まとめ

✅ SGLT2阻害薬の1つであり、糖尿病・慢性心不全の治療薬である
✅ ジャディアンスの用法や用量は疾患別に異なる
✅ ジャディアンスの副作用では特に女性の尿路感染症や性器感染症のリスクが高い
✅ ジャディアンスを服用の際には病気や症状に応じた禁止事項や注意事項がある
ジャディアンスは糖尿病治療薬として開発されたお薬ですが、心不全や慢性腎臓病に効果を認められた初めてのSGLT2阻害薬です。
適切な患者さんに適切に使用すれば、有望な効果が期待できます。
ただ、ダイエットに使用するなど不適切な使用はさまざまな副作用の懸念もありお勧めできませんのでご注意ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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