精神科や心療内科が扱う病気①〜うつ病〜症例提示その2

この記事は通算11つ目ですが、

10つ目を書いた後にブログの機能(Wordpress)の設定をいろいろといじっていたら、なんと、、、ログインできなくなってしまいました💦 各種サイトや公式のやり方でいろいろ試してみたのですが、復旧できず丸一日以上消費した時点で、復旧はできるかもしれないけど、費用対効果を考えると削除⇨再インストールの道を選びました😭 その後、一晩かけて保存していた記事を再作成し、CANVAを購入しアイキャッチを強化。ブログってこんなに辛いのかと洗礼を浴びているような気持ちで復旧いたしました。まぁ、いろいろ失いましたが、学びもひとしおでした笑

さて、結果として記事が1日飛んじゃいました。目標は毎日更新だったのですが💦気を取り直して再開します。

コロナ禍では、その直後は株価は暴落しましたが、稀に見る金融緩和で米国だけでなく日本もV字回復しました。その恩恵を受けた人は、株をやっていた人に留まり、多くの人は経済的に生活としては変わらない、あるいは、苦しくなったと思います

コロナ禍を背景とする貧困がよりいっそう悪化したために、精神的な負担がとてつもなく大きくなっていく人たちがおられます。

「子供の教育費が払えるんだろうか?」

「このまま私たちは生活していけるんだろうか?」

と思い悩み、やがては「うつ」を発症してしまいます。「適応障害」に当てはまるかもしれませんが、ここではややこしいので「うつ」として扱います。

目次

症例を提示します

*症例は実際の症例を改変しています。フィクションと思ってお読みください。

30代 女性

家族構成 子供一人の母子家庭

職業 事務

既往歴 特記事項なし

現病歴です

夫と死別してから事務仕事を開始しました。コロナ以前は特に大きな問題なく勤務されていたようです。

ただ、お子さんには軽度障害があり、仕事中は施設が預かってもらえていました。

しかし、コロナ禍で状況は一変します。

勤めている会社の経営がすこしずつですが落ち込みます。そのしわ寄せとして、患者さんに暗に退職を迫ってきたようです。最初は抵抗していたようですが、お子さんを預けていた施設もコロナのために一時休止などの悪いことが重なり、子供を自宅で見る必要があり会社を休まざるを得なくなりました。結果として、会社に居づらくなり退職…まぁ、かなりひどい話です。

貯蓄はあったため、失業保険などを使いながらなんとか生活はしていたようですが、先の見えぬ将来に不安が積み重なり、不眠や不調を感じるようになりました

障害のあるお子さんを抱えながら、就職活動もままならず、生活は困窮していきます。市に相談する過程で、病院受診を勧められ私の外来を受診されました。

初診時

不眠と不安感を訴えられ、涙が止まりません。もう察して余りあります。お子さんをどこかに預けるのも大変で、外来受診もなかなか捗らなかったとのことでした。非常に辛い状況です。

一通り置かれている状況、心境などお話を伺った後に、どうすれば症状が改善するのか一緒に考えます。

原因は「コロナによる貧困」と明らかですが、それをどうやって改善するかしか糸口は見つかりません。経済的な状況を直接的には援助できませんが、お子さんをまずは施設で預かってくれるようにする、本人の病気を証明するなど書類を整え、就職活動をしやすい環境を整えていきます。

もちろん、これは医師の私だけではなく、精神保健福祉士(PSW)という強力な助っ人と協力して、いろいろと打開していきます。

お薬は、今回は抗うつ薬は処方せずに、軽い睡眠薬を頓用で処方するだけにとどめました。解決の糸口が見つかれば徐々に改善していくと判断したからです。

経過

二週間後に再診となりました。

お子さんはどうにか施設に預かってもらえるようになり、ハローワークを利用し仕事を探す段階になってきました。

結果として、初診時よりは表情は穏やかになり、睡眠薬も毎日使わず寝られるようになってきたとのことです。

まとめ

・コロナ禍により貧困に陥り、結果として、「うつ」を発症するひとがいる。

・経済的に困窮していると、さまざまな理由で精神科の受診も遅れがち。

・公的な支援をうけつつ、改善の糸口を見つけていくことが肝要。

コロナ禍における貧困は、コロナ禍が長期化することにより、ますます顕著になっていく気がします。

そういう状況の人々は、そもそもどうやったら良くなるのかという情報にすら辿り着くことができないケースがあると思います。

私は目の前の患者さんしか治療できず力不足ですが、「ばら撒き」だけの政策ではなく、困窮世帯を次のステップに導ける政策を考えてほしいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

総合内科専門医と循環器専門医資格をもつ精神科医の備忘録です。
①医療のこと(循環器、精神科領域中心)
②子供の受験のこと(小学6年生 浜学園 公文)
③投資のこと(米国中心の投資について)
④時短家電のこと
⑤論文のこと(論文の読み方、書き方など)

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