勤務医をしながら法人を経営している私が、法人設立までの過程を実録で振り返るシリーズ。いよいよ最終話です。
第5話では、設立1年目の売上・経費・役員報酬のリアルを公開しました。

このシリーズは、税金や手続きの話が中心でした。でも、最終話で伝えたいのはお金の話ではありません。
法人を持って変わったのは、働き方と人生の選択肢そのものでした。
変化①:税金に「打つ手がある」という安心感
第1話でお話ししたとおり、すべての始まりは四桁万円の納税額でした。

勤務医の給与は今も源泉徴収されるだけですが、副業側は法人という器で自分でコントロールできるようになりました。
税金の額そのもの以上に、「仕組みを理解して、自分で選べている」感覚が心の余裕を生みました。
変化②:経営者の視点が本業にも活きる
意外な副作用でしたが、法人経営は本業にも良い影響を与えています。
- 産業医として企業を訪問するとき、経営側の論理が腹に落ちて分かる
- お金と数字に強くなり、病院の運営会議の見え方が変わる
- 契約書・請求書・税務のリテラシーは一生ものの資産になる
産業医業務については、こちらのシリーズで詳しく解説しています。

ぶらっく医学と経営、両方の言葉が分かる医師は、思ったより少ない
変化③:「雇われない選択肢」があるという余裕
法人があるからといって、勤務医を辞めるつもりはありません。臨床は好きですし、病院でしかできないことがあります。
ただ、「いざとなれば自分の事業で食べていける」という選択肢の存在は、日々の働き方を確実に変えました。
- 無理な当直や条件に「ノー」と言えるようになった
- キャリアの変化(異動・転職・開業)を恐れなくなった
- 収入源が複数あること自体がリスクヘッジになっている
変化④:家族と「同じ船」に乗れた
配偶者には役員として経理や事務を担ってもらっています。
家族が事業のメンバーになると、収入や将来の話を「家の事情」ではなく「事業の計画」として話せるようになります。これは想像以上に大きな変化でした。



夫婦会議の議題が「節約」から「投資」に変わった
もちろん、良いことばかりではない
最終話なので、影の部分も正直に書いておきます。
- 事務作業は確実に増える(経理・届出・決算)
- 相談相手が少なく孤独(同僚の医師には話しづらい)
- 売上がゼロでも均等割などのコストはかかる
- 出口戦略(法人のたたみ方や将来設計)は常に考え続ける必要がある
それでも、法人を作ったことを後悔したことは一度もありません。
シリーズのまとめ:全話リンク
最後に、このシリーズの全話をまとめておきます。これから法人設立を考える医師の方は、第1話から順に読んでいただけると全体像がつかめます。










おわりに
「このままではヤバい」と気づいた日から始まった旅は、今も続いています。
法人設立はゴールではなく、働き方を自分でデザインするための道具です。
このシリーズが、同じように悩む勤務医の背中を少しでも押せたなら嬉しいです。



次はあなたの番です。まずは第1歩から
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
※本シリーズは私個人の経験と見解に基づくものです。法人設立や税務の判断は、必ず税理士等の専門家にご確認ください。





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