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Follow @3ia45PRIFJnCU2K医師は本業以外にも、その職業上の特性を活かした副業があります。その一つが「講演会」です。
私自身、今週土曜日に地域の住民向けの講演会を依頼されており、その準備に追われています(ブログするなと怒られそうです)。
今回は、医師の「講演会」について説明します。
講演会とは?
大きく分けて2種類あります。
- 企業から案件を受けて、主に医師や薬剤師などにその企業の薬剤などを紹介する
- 公的機関や自分の病院から依頼を受けて、市民やその地域住民に対して主に「健康」をテーマにした話題を解説する
です。
企業からの案件については、その企業の薬剤あるいは医療機器のエキスパートに依頼があることが多いです。
企業としては自分達が作っている薬や医療機器を普及させたいので、それらをよく使用している、あるいは、精通している医師に講演会を依頼し、まだ使用経験の浅い医師に情報を提供することを目的としています。
一方で、市民に向けた「講演会」は、住民の皆さまに「病気」を知ってもらい健康増進につなげる意味合いがあります。また、病院が主催のものには、特定の「病気」や「治療法」について分かりやすく解説することで、患者を自分達の病院に集める、いわゆる「集患」の目的を持ちます。こういった場合、エキスパートの場合もありますが、地域密着型の医師が講演を行います。
私の印象では、市民に向けた講演会はいつも盛況で満員に近い印象です。基本的に無料ですし、病気に興味がある年配のひとたちが聴きに来てくれる印象です。まぁ、若い人は来ませんよね。
一方で、企業主催の講演会は聴衆が医者なのですが、よっぽどホットな話題とかではない限り、聴衆は少ない印象です。というのも、今はわざわざ行かなくてもネットで最新の情報が得られますし、企業主催はどうしても情報がその企業の肩をもつ内容が多いので、多分にバイアスがかかった情報が多く、それを嫌う医師も多いからだと思います。あとは、マンネリ化した内容が多く、「また、この内容か…」と学びが少ないのも原因ですね。
講演会での役割
役割も大きく分けて二つあります。
- 演者:講演を実際にする人
- 座長:司会をする人
先にも書きましたが、演者はその道のエキスパートとして招聘(しょうへい)され講演を行います。
座長は、司会者であり、演者の紹介や演者発表後の質疑応答での聴衆からの質問を拾ったり、自ら質問をしたりする役割です。
圧倒的に、演者の方がしんどいです。
だいたいの場合、パワーポイントを作って講演をすることになります。
こんな感じです。
私の場合、30分の講演会ですとスライド30枚、60分ですとスライド60枚くらいの量を準備します。
使い回しの講演だと楽なのですが、初めてのテーマで講演会をするとなるとスライド作成にかなりの時間を使います。
今週末に依頼された地域向けの講演会は、講演60分質疑応答30分を依頼されていて、さらには市民向けで話す初めてのテーマでしたので、作成にすでに8時間以上は費やしています。ちなみにまだ完成は遠いです。
一方で、座長は準備は基本的に必要ないです。企業や主催者が聞き取った演者の経歴や業績を書いた紙を直前に渡され、それを講演会の冒頭で発表し、最後にちょっとだけ質問するだけでほぼ終了です。
ただし、座長を依頼されるのは、部長とか院長とか教授、准教授といった、その道を極めてきた医師です。あるいは、地元の開業医ということもあります。
演者にせよ、座長にせよ、依頼があるのはその道のエキスパートが多いです。
気になる報酬額
私が5年くらい前に受けた講演会の報酬(謝礼)です。
私レベルの演者ですと、企業案件でだいたい3〜10万円が相場でしょうか。8〜10万やそれ以上は滅多にありません。
教授、院長クラスで10〜20万
准教授、副院長クラスで8〜10万
講師、部長クラスで5〜10万
それ以下で3〜7万
といった感じでしょうか。
ちなみに、謝礼は「雑所得」になるので、税率はだいたい30-40%となります。すなわち、5万円の報酬でも30〜40%の税金を引いた3万程度が手取りになります。
これは非常に不思議なのですが、
労力は遥かに違うのに、座長も演者も報酬はだいたい同じです!
これは不思議です…案件によっては座長が安い場合もありますが、演者の方が低いことだってあり得ます。不思議ですよね。
一方で、市民講座はほぼボランティ的な意味合いが強いので、0〜1万円といった相場な感じがします。特に、「集患」を見込んでいる病院主催の場合は、ほぼボランティアが多いと思います。
医師側からしたら、ボランティアで患者集めさせられて、さらには患者が集まって仕事が増えるだけでうれしくないというイベントのこともあります。ただ、患者を集めてより多く経験を積みたいと考えて、進んでボランティアをする医師も少なくはないです。
あと、医者って自己顕示欲が強い人がたくさんいますので、「俺ってすごいんだぜ!」っていう発表の場にもなります笑 その人たちにとっては、講演会はお金もらって「おれすげえ」というマウントする舞台を与えてくれる絶好の機会となるわけです。
私も恥ずかしながらそんな時期があり、めちゃくちゃ講演会を引き受けていたことがあります。まぁ、臨床とか研究とかフルで頑張っていた時代ですね。朝から晩まで働いて、その後、夜中までスライド作り…そんな感じで年がら年中やってましたね。月4〜5件くらい引き受けてましたので、100万は超えていました。ただ、もうやりたくはないです笑 準備にめちゃくちゃ時間かかりますし、移動時間や緊張もある程度するからストレスもあるし、、、何事もやりすぎは良くないですね笑
ただ、猛者は年に相当数の講演をこなし、1,000万円を超える額の報酬を得ている人たちもいます。全国を毎週のように行脚していますね。ときどき、週刊誌などで悪口を書かれていますが…擁護するわけではないですが、大学病院は教授クラスでも給与は給与はかなり低いので、講演会で稼ぐというのは決して悪いことではないとは思います。ただ、何事もやりすぎは良くないですね
コロナで様変わり
コロナ禍以前は、講演会といえばどこかのホテルなどを借りて聴衆を集めて行っていたのが主でした。ただ、コロナ禍の直前くらいからWeb開催も少しずつ増えてきたと思います。
そして、コロナ禍以後で講演会も様変わりしました。
ホテルなどで集まることは基本的に禁止ですので、Web開催が主となりました。Webに慣れてくると、聴衆からしたらわざわざ行かなくてもいいよねっていう気持ちとなり、コロナ禍が去ったとしてもWebが主となるでしょう。
予算的にもWebの方が有利です。
講演会でホテルを借りると、小さな講演会でも100〜200万はします。それがWebだと箱代がかからないのでだいぶ安くついていると思います。
一方で打撃を受けるのは、ホテルとタクシーです。
都会、地方問わず、休日は結婚式会場にも使われるホテルの大きな部屋は、平日は医師の講演会でびっしりでした。しかし、今や、閑古鳥…と思います。経営的にもキツそうですね。
さらに煽りを受けるのはタクシー業界ですね。講演会終わりは、演者も聴衆もタクシーチケットが渡され、タクシーで帰る場合が多かったです。Door to Doorでホテルから自宅まで、タクシーで○万円っていうこともざらでした。それが、一気にほぼゼロになったのでタクシー業界も大変かなぁって思います。
まとめ
医師の副業の一つである「講演会」について書きました。医師は、その職業上の特性からさまざまな副業があり、コロナ禍においても講演会も有望な手段です。
種類は二種類あり、企業主催のものと公的機関や病院主催のものがある。
役割は二種類あり、演者と座長。ただし、報酬は変わらないことが多い(不思議)。
コロナ禍でも講演会はWeb形式で行われる。一方でホテルやタクシー業界に打撃。
稼ぐ手段がたくさんあるのも、医師という職業のストロングポイントですね。ただ、やりすぎは何事もよくないですけどね笑
最後までお読みいただきありがとうございました。
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